2015年09月
2015年09月28日
稲刈りが近づいてきた
11年目の田
肥料と農薬を使わなくなって11年目の稲刈りがあと3週間ほどで始まる。
今までよりさらに遅くなるようだ。
昨年一昨年は周りではウンカの被害で大変だったが
今年は今のところ落ち着いている。
11年の間に何故肥料が無くても成長するのか?の疑問を追求し解いてきた。
さらにはそこにある土の役割、有機物の循環も理解できるようになった。
自然栽培の始めに手痛い自然からの仕打ちを受け
何とかできないかともがいたおかげで
何故?が一気に解決してきた。
「安全なもの」を一番のテーマに考え
さらに「良い」ものを追いかけて
今の方法に行き着いているが
さらにちょこっとの手を入れるだけで良くなる。
あまり手を入れすぎると自然栽培のカテゴリーからはずれるとか言われるのが
研究を進めるネックになっている。
そこで新しい有機栽培の考え方であるBLOF理論の手を借り
土壌検査で追いかけてみた。
思いがけない結果がそこには待っていた。
①稲刈り後の田
②稲藁処理後の田
③水入れ前
④水入れ直後
⑤成長中の田
これを土壌検査で追いかける。
現場でのあれこれで
①③④で検査の結果を得ている。
⑤はこれから検査する。
驚いたのはPH
稲刈り直後に8という数値が藁処理した後から5.5くらいまで落ちていた。
ようするにアルカリから酸に変わっている。
水を張っていると還元作用があるからアルカリに見えるのは理解できる。
しかし藁処理した後にPH5台になってしまうことにはちょっとびっくり。
Fe、Mn、は水を入れたとたん急激に大きな数値を出すようになる。
細かく検証はやっていなくて何故?が吹き上がる。
圃場は11年間肥料農薬を一切使っていない。
この何故?の科学的な理由がわかってくると
自然栽培は誰にでもいきなり出来るようになってくるかもしれない。
いずれにしても何かの処理で大きな変化が出てくるのが自然界なのか。
色んな文献を調べ、現場に落とし込むのはなかなか大変だ。
それでもちゃんと育ってくれている稲を見ていると
本当にすごいなあ~って思ってしまうのだ。
2015年09月05日
土と循環
地球が生まれて46億年だという。
化学の発展と考古学からわかってきている。
そして46億年の歴史もかなり詳しく解ってきているようだ。
今の地球は人間が支配しているように見えるが
人間を含む動物は植物が無ければ存在できない。
その植物が地上に出現したのは4億年ほど前だという。
地球の環境が変化し住めるようになったか
また海で生きていたものが地上の環境に適応してきたか
そのどちらも重なってのことかであろう。
地殻変動などから玄武岩からその上に安山岩が出来てきて
それが植物とともに土を生成し始めた。
そこにあるもので生きる状態を作り出すために植物は
土を作っていったのではないだろうか。
海中にあった植物は二酸化炭素から酸素を作り出し地球を変化させた。
そして岩石だらけだった地上に進出し土を作り出して
生きる道をつなげてきたのだ。
土が出来る過程を見ると、過去の歴史が透かして見える。
有機物は微生物の助けを借りて、腐植を作りそこに珪酸が関わることで土になっていく。
その土は次世代の生きる環境を生み出す大事な環境物質となった。
土が植物の成長に大きく関わる理由だと思う。
植物が繁殖してさらに進化した動物が出てくる。
有機物が複雑な仕組みを取り入れ動けるようになったものが動物。
動物もまた土の恩恵を受けなければ生きていけないのだ。
このときからすでに循環が始まっている。
植物動物ともに生きてその役割を終えると有機物として土に還元され次の世代に利用される。
土に返るとはそういうことだ。
生きている間にも生活の代謝による吸収と排出が起きている。
生まれて育ち、次世代を残して老い死んでいく。
人間も食べて必要なものを吸収し、汗、糞尿として排出する。
糞尿は分解されるか土になっていくかで再利用されていく。
そういう循環が出来ているからこそ生きていく環境がある。
もしその循環が出来ていなければ
地球上は糞尿だらけだ。
つまり、有機物があったからこそ土が出来てきた。
その土こそ生物が生きるための多くの役割を持って存在している。
自然界を見渡して、人が生きるに重要な要素とは何だろう?
空気、水、食料があれば命はつなげる。
それからはそれらを効率よく手に入れる知識
それらが土に関わっているということを人はあまり意識していない。
ましてや、土を基本に生活をする農に関わる人でさえ
実は土のことを知らないのだ。
あなたは知っていますか?
土って何ですか?
土ってどうやって出来たのですか?
人が生きるに重要な働きをしている土について
もう一度考えてみてはいかがでしょう?