2016年03月

2016年03月24日

自然栽培のメカニズム3

自然栽培のメカニズム3

自然栽培での生産物はその作物の生長に応じて有機物を根から土の中に供給する。
それは根酸で土の中の成分を溶かして取り込むシステムと連動している。
必要な成分があると根から土の中にある成分を取り込むために
根酸を根から出して土の中の成分を溶かし吸収するが、同時に有機物を土の中に供給している。
土に供給された有機物は微生物を呼び寄せその餌になりそこに代謝産物を吐き出す。
代謝産物がフェノール系であれば腐植を作り出し、根自身の成長に促進効果をもたらす。

植物の根は自身を支えるためだけでなく、成長させていくことで
植物が朽ちたときに土に中に有機物として供給されたことと同じことになる。
自身の成長と次世代のために備えているのだろうと思われる。

ハイポニカという実験をご存知だろうか?
環境をできるだけ一定にして、外部からの影響を極力抑えた状況での実験。
素材はトマトだった。
東京のどこかの場所で展示されていてひとつの幹から
とんでもない数のトマトが出来ていたという実験だ。
根の部分には常に一定の成分調整しない溶液が流れていた。
そこには巨大に絡み合った根が存在していた。
豊富に養分があれば根は育たないという説をくつがえした実験だった。
トマトは1年で朽ちるという説も覆した。
生命の不思議さを目の当たりに見た。
環境とはもともと持つ能力を抑える要因であり
その要因を減らせば成長に変化が出てくるという証明になった。

自然栽培の追及から科学的有機栽培(BLOF理論)を勉強する機会を得た。
自然栽培からすれば有機栽培は危険とばかりに捉えているが
はたしてそうなのか?

勉強してみて全くその考えが間違いであることがわかった。
植物の生理をしっかりと研究した上での組み立てができており
霧中模索の自然栽培はお遊び?と思えるほどの完成度だ。

土の理解も植物の生理もメカニズムもさっぱりわからない自然栽培とは大違い。
情報量も凄いがその情報を組み立てて計算して設計するという
まさに科学農業と言ってよい。

その中身については是非とも勉強会に足を運んで知って頂きたい。
自然栽培に向かう人にもきっと役に立つはず。

私は仲間にその情報を知らせたが、こぞって勉強会に参加する人が続出している。

自然栽培において特に重要なのはその中の植物生理
たまたま出来てしまった自然栽培では何もわからないのだ。

植物生理は有機栽培だろうが自然栽培だろうが変わらない。
特性を知ってどう対処するかが違うだけである。
自然栽培の大きな特徴は自然観察から対処方法を見つけ出すのが一般的であろうが
それはそれぞれの圃場の特徴に大きく左右される。
圃場の特徴さえもわからないままでは対処にしようも無く
結果のみで判断するしかない。

まずは圃場の特徴を科学的に知り
結果を科学的に分析しなくては感覚だけに頼ると間違いが出てしまう。
自然栽培に向かう人の大きな間違いは
肥料を切っただけである程度「美味い」と思えるものができてしまうところだ。
この部分はいまだに疑問のところなのだが
いったいなぜそういう感覚になってしまうのかが私は解っていない。
環境のいろんな関わりの中のそれぞれの緩衝作用が働いてしまった結果と捉えている。

11年間、自然栽培の感覚的部分からと科学的見方からの両方から考えてきたが
なかなかすりあわすことができない。

BLOF理論から出来てきた生産物と自然栽培から出来てきた作物を食べ比べると
自然栽培のものを食べてきたからだろうが自然栽培に口が合う。
その時にやはり自然栽培物がいいと思ったのだが
つい先日の有機栽培フェスタで入手したBLOFのものを食してみたら
そんなに変わらないものが出来ていると感じた。

多くのものを同じ時期にずっと食べ比べて統計でもとってみないとわからないぞと感じたのだった。
BLOF理論凄いぞ!っていうのが今の私の感想だ。

BLOF理論では高機能なものを多収穫できる。
出来たものを調べてどういう結果になったかわかるし
収量も多く取れることがわかっている。
自然栽培では出来ただけで中身はどうなのかわからない。
これからの方向性はどうなっていくかは予測がつく。

いずれも腐植を利用することを表に出していないが
腐植は気がつかずとも関わっている。
腐植の利用を大きく考えるようになると
さらに良い方向へ向かうと確信している。
その部分の説明はいずれまとめて行こうと思うが
まだ情報が不足している。

環境特性を分析し
植物生理を知ることで対処方法が変わる。
ただ放置なのか、何かしらのアクションを必要とするのか?。

自然の循環を生かすことも大事であるのだが
良き物を作り上げるには進化も必要であろう。

循環はただ循環しているのではなく
スパイラルに循環しながら進んでいるということを知って頂きたい。

自然栽培では環境による制限が大きい
宇宙単位の自然界の制限がそこにある。
かつ、有利になる条件もある。

それをいかに見つけ出し、育つ条件をそろえてあげるかが
自然栽培を成功させる秘訣。
メカニズムがわかってきたら、そのメカニズムを発揮させる状況を作り出す。
それが生産者の仕事となるわけだ。


chorga at 02:56|PermalinkComments(0)

2016年03月22日

自然栽培のメカニズム2

自然栽培のメカニズム2

自然栽培を成功させるには肥毒を消し去ること
肥毒とは何?

自然のことを知らずに圃場に余計なものを入れすぎた結果の耕盤層
私が調べた結果は微量要素系の金属系のものが多かった。
何年も畑を掘って調べてみたが、耕盤層は扱い方で動く。
解消させるには有機物を入れて
高分子化発酵を進め、腐植化させてキレートに取り込んでしまうのが早いと思う。
ただし、入れる有機物は質を良くしたものでなければならない。
腐敗に向かいにくい状態にもっていった有機物
もしくは腐植、腐植前駆物質を利用するがてっとり早い。

今までの自然栽培では有機物の土への供給に
作物を植えて、その作物が根から地中に供給する有機物によって土造りとしていた。
ようするにいくら自然栽培とて有機物を供給してあげなければだめなわけだ。
土自体がある意味有機物で出来ているということから
その質が低下した土ではどうにもならないのだ。

土を造るというのは、それ自体にどれだけの良質な有機物を含ませるか?にかかる。
ただ有機物を入れればよいというわけではない。

何も入れない何も使わないというやりかたでは時間がかかりすぎてしまう。
自然栽培を始めた当初残肥によってほどほど収穫できても数年間収量が落ちていく。
それは土の中の有機物が減っていくからで
作物自体から供給する有機物量が間に合わないからだ。
作物自体がその状態に対応するようになると有機物を土に多く供給できるようになる。
有機物が消費されるより供給が多くなれば土は良くなっていき
収量も増えていくことになる。

自然栽培を成功させるにははじめに優良な有機物を入れるほうが良い。
そうすると有機物量があまり減らずに良好な状態を保つようだ。
優良な状態の有機物は腐植化しやすく、生物の生活に良い状況に持っていってくれる微生物が多いということだ。

微生物が活動し、人間で言う汗、排泄物にあたる活動代謝産物に
フェノール系を含んだ代謝産物が含まれると
有機物が高分子化に向かい、キレートを生み出す。
そこに珪酸がかかわっていると、土に変化する方向に向かう。
このあたりの状態を腐植といい、特に腐食になりかけの部分(腐植前駆物質)は
いろんな能力を発揮するようだ。
簡単に言うと腐植前駆物質を多く含んだ土は良い土になりやすいということだ。

これが土に中にあると微生物の活動からフェノール系の代謝産物が生まれる。
よって分解腐敗には向かいにくく良い土が形成されてくるようになる。
その結果が団粒構造として現れるようになる。

肥毒の解消も良い土を造るのも
腐植の技術があればいがいと簡単に出来てしまうことになる。

このように有機物の循環に目を向けることこそ
自然栽培のコツとなってくる。
いわば自然栽培は有機栽培の一部であるということになるわけだ。

自然栽培のメカニズムを知るには
自然界の循環を知ることだ。

生物が有機物で出来、有機物の循環で成り立っている以上
その流れを知らずに自然栽培のメカニズムなどわかるわけは無い。
自然栽培を成功させるにはその基礎となる土壌のメカニズムの解明が必要。
土壌生成理論はその大まかな状況を説明できる唯一の基本的な理論だ。

土壌生成理論を知らずに自然栽培は知ることができない。



chorga at 03:08|PermalinkComments(0)

2016年03月20日

自然栽培のメカニズム1

自然栽培のメカニズム1

自然栽培とはいったいなんだろう?
言葉の元は岡田茂吉氏から

人が生きるために生産する作物をできるだけ自然に近い状態で作り出すという方法。
自然のままでと言うならば天然物を探せばいい。
人に都合により天然物を探すことが出来ないから
生産物を出来るだけ天然物に近づけたいという思いの産物。

ということは自然栽培を考える前に天然のものがどうして出来上がっているかを考えることが先だ。

植物は約4億年前に地上に出てきた。
地球が生まれたのは太陽系が生まれるのとほぼ同じ45億年前といわれる。
海で藍藻類が光合成を始めたのが35億年前
吐き出した酸素は最初は鉄イオンと結合して鉄鉱石となり蓄積されてきた。
鉄イオンが消化されてあまっってきた酸素が空気中に放出されてきたのが20億年前
そして酸素量が増えてきて地球の周りにオゾン層が出来てきたのが4億年前である。
太陽から放射されている紫外線をこのオゾン層が吸収することで
生物のDNAを痛めなくなってきたことが生物の地上進出を許したのだ。
海の中では生物は進化していたが、それは海水が紫外線を弱める働きがあったからだ。

今の時代でも光合成が生物の生きるための基礎となっている。
二酸化炭素と水から炭水化物を生み出し酸素を吐き出す仕組み
生物は生み出される炭水化物を元に体を作り世代を重ねているのだ。

植物は自分が育った場所から移動できない。
そこで多種の方法を駆使し世代を継げている。
世代を継ぐためにどういうことをやっているのか?

それこそ自然栽培の見るべきところだ。

おかれた環境の中で体を作り次世代に継ぐには
そこにあるものを最大限利用していかねばならない。
科学的に見ると、炭水化物とそのほかの必要な要素が必要だ。
水はもちろんのことそのPH値、窒素燐酸カリカルシウムマグネシウム鉄マンガンなど

大きく宇宙単位の動きは、太陽があり、月があり、地球自身の自転がある。
環境として大気があり土があり水がある、
日本にはそれに季節があり、大事なのは日本の置かれた地球上の場所

多彩な要素が必要なのは海で長らく生活していたなごりで
やはり身の回りのものを利用して進化していたのだろう。

地上においてはその必要要素は鉱物から取り込んでいると考えられる。
または雨風、土の中に蓄えられているのもあるだろう。

植物は必要なときに必要な要素を取り入れながら成長しているのだ。

ではその必要要素はどういうメカニズム?
それが解明できれば自然栽培なんて簡単に出来てしまうわけだ。
人の欲からたくさん取るとか他の草に負けないような人の手を取らせる部分は
工程の問題であって、自然界のメカニズムとは違うところで考えなければならない。

メカニズムを考える前にどうしても欠かせない要素がある。
光、水、二酸化炭素は当然だが
植物自体を支える土に大きな働きがあることを知らねばならない。

土は温かく、水はけがよく、水持ちが良いものがいい土と自然栽培セミナーで私は習った。
その通りなのだが、加えて植物が必要とする養分を提供し続けることが重要だ。
その役割を担ってもらうために
土は植物によって造りだされたといっても過言ではないと思う。
植物が朽ちてからその場でほぼなくなってしまうのはご存知だと思う。
それは微生物によって分解されて腐植という状態を通り土に返るもの
分解されて養分として再利用されるものとなる。
その時に関わった微生物の状態によってそれは変わる。

土に返る方向に向いたときにはキレートというものを作り出し
いわゆる緩衝作用という能力を発揮する。
それは科学的にCECという数値によって見ることができる。
このキレートは団粒構造の機軸にもなる。

植物(有機物)はどう変化していって土になるのか?
植物が作った土となっていけばそこには植物が育っていける環境が作り出されるのだ。
それらは土壌生成理論を知ることが必要となる。



chorga at 10:32|PermalinkComments(0)

2016年03月11日

土の偉力の源

土の偉力

1昨年まで田の表土を稲苗土に使っていた。
3リッター~くらい使ううちの200ccを
苗箱の下に薄く広げる方法で。

他の部分には山から採取した赤土の焼いたもの。

これはお袋から教えてもらった方法だが
田の表土にはかなりの養分と見られるものが含まれている。
それが腐植であろうことは後でわかってきたのだが。

それではと田の土だけで苗土にすると、
育ちすぎるからとお袋からきつく言われたのを覚えている。

自然栽培の勉強会でそのことを話したらみんなびっくりしていたが
実はその前の年にその話を私から聞いていたという方が試したと発表した。
土がこんなに力を持っているとは知らなかった!びっくりしたということだった。
その当時は理由はわからなかった。

土とは何?という疑問から腐植の世界を知った私は
そこに何があるのかを理解できた。
BLOF理論を勉強し土に何が含まれているのかを調べてみると
面白い結果が見えてきた。
同じ圃場の同じところから採取した土が
季節をずらして試験してみるとびっくりするような数値の変化がある。
たとえばPH値
稲刈り跡には8.0というアルカリを示していたのに
入水直後には5.5という数値を示した。
ちなみにこのあたりの川のPHは7.3前後
そして水をきる直前では5.2
水のあるなしでこんなに違う?
K、NH4、Mn、Fe、CaP、Mg
全ての要素が大きく変化するのだ。

これはいったいなんだ?

自然栽培でやっているから肥料分は一切やらない。
農薬も使わない。

収穫時に切り落とした藁だけが土の表面で変化しているだけ。
藁処理はいっさい土の中に入れないで表面で風化させるという方法。
ということは藁(有機物)が腐植に変化していくうちに
表面にキレートを生み出し変化させているのではないのか?という仮定?が生まれる。
入水後のトロトロになった部分を乾かすと団粒する現象はその表れか。
有機物がきれいに腐植化していくと酸性に傾いていくらしい。

昔の人は理由は良くわからないがどうすればよい状態になっていくのかを
経験で知っていたようだ。それらは代々に伝えられ常識となっていく。
お袋は田の土が苗の生育に大きな影響を与えることを知っていたわけだ。

今は田舎にも存在しない肥溜め
そこで何がおきているのかわからないままに昔の人は
ある程度時間を置いた糞尿の上澄みが作物に良いことを知っていた。
江戸時代はこのシステムがうまく循環させられて
人糞は集めてひとつの仕事になっていたらしい。
江戸時代は綺麗な町並みであったという話を聞くが
その一端はこのシステムのおかげであろうと思うのだ。

これこそ腐植とかフルボ酸とか言われる
最先端の科学をもってしてもなかなか解明できない自然界の循環システムだ。

土の生成とその循環システムがある程度わかってきてはいるが
どういうことでそれがおきているのかは科学的には解明できていない。

昔からいろんな学者がこれに注目してきた。
そこでそれをまとめてあるのが土壌生成理論だ。
ただこれにはいわゆる微量要素、鉱物あたりの無機物についての追求が足りないかもしれない。
珪酸のかかわりで代表されているのかもしれない。

有機物の変遷がわかり、どういう処置をしたらどう変化するのかというところを
今回のセミナーでは聞けるかもしれない。
汚泥処理、糞尿処理はみんな触りたくない部分
ところが人の生活には絶対に欠かせない必要なものであるのだ。

自然栽培とて
その腐植という働きがあってこそ成り立っている。




chorga at 15:19|PermalinkComments(0)

2016年03月08日

第12回九州自然栽培研究会セミナー募集開始


九州自然栽培研究会 http://sizensaibai.com/giken/

上記にて募集開始します。


 

chorga at 13:39|PermalinkComments(0)
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